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家庭教師からのセレクト!

アメリカのギルミノ−の報告によると、「眠る直前五分以内にやったことは記憶されない」そうである。 これは、海馬に入った情報が固定して長期増強される前に、大脳皮質が休んでしまうためである。
自動車事故で意識を失った人は「事故直前の記憶がない」とよくいうが、これも同じメカニズムから起きる現象だ。 たとえていうならば、「フロッピーディスクに書き込み中に、パソコンの電源を切るようなもの」。
メカニズム(プログラム)に沿った終了手続きをちゃんとしないと、苦労も水の泡になる、というわけだ。 要するに、勉強が終わってから五分後に眠りにつけるかどうかが、勉強の成果(記憶量)を上げられるか否かの分かれ目になる。
目をつむってしばらくすればイビキをかいているような寝付きのいい人もいないわけではない。 そういう人はまったく問題はあるまい。
勉強が終わってから五分間、日を開けておくようにすればいいだけだから。 ところが、寝付きのよくない人は、せっかく就寝前三〇分を最大限に活かそうと勉強したのに、床の中で悶々としているうちに、その意図が果たせなくなってしまう。
それでなくとも勉強で、大脳は少なからずヒートアップしている。 まずは、大脳を短時間でク−ルダウンしてやること。
だから、寝る前におもしろすぎる本を読んだりテレビを観ることは、眠りに落ちるまでの時間を延ばすだけであり、なんの益もない。 「スパイダソリティア」や「上海」といった単純なパソコンゲ−ムは、一回でやめるつもりが、「おめでとう、もう一度ゲ−ムを開始しますか?」というメッセージを見たとたん、無無,音就寝前には絶対避けるべきだろう。

それからもうひとつ、寝酒は禁物。 アルコールが脳にもたらす悪影響については冒頭に書いたとおりである。
勉強が済んだ後、すぐには眠りにつけないという方にお薦めしたいのは、音楽を聴くなどして、左脳に余計な情報を入れないことだ。 ボリュームを絞り、タイマー設定をして静かな曲調のクラシックを流すなどしてはいかがだろう。
いろいろ試してみれば、これを聴けば眠くなるという曲も見つかるはずだ。 まずは、シューベルトやブラ−ムスなどの子守歌からお試しあれ。
暗記したことを忘れてしまう原因のひとつに、「干渉効果」がある(心理学用語では「抑制効果」という)。 この干渉効果とは、別の情報(たとえば新聞やテレビなどの言語的情報)が入ることによって、前の情報(つまり、資格試験のテキストなどの言語的情報)が吹き飛んでしまうことをいう。
干渉効果による記憶の消失を避けるためにいちばんいいのは「眠る」こと。 睡眠中は、干渉効果が少ないからである。
この意味からも、勉強が終わったら左脳を刺激するような余計なことは避けて、さっさと眠りに就いてしまうのが脳科学的に正しい暗記法。 寝付きの悪い人には酷な注文になるが、自在に眠りに落ちる術をぜひ生活習慣として身につけていただき寝付きの悪い人へのアドバイスというのは、実はなかなか難しい。
ハルシオンなどの超短時間型の睡眠薬は、あっという聞に眠れるが、毎日飲んでいると効きにくくなるし、肝臓などの内臓障害を起こしたり、痴呆になりやすいという仮説もあるくらいだ。 寝る前に飲むのなら、寝酒よりも睡眠薬よりも、少し温めた午乳のほうがいい。
午乳には、眠気を誘発する「トリプトファン」というアミノ酸が含まれるからだ『締切効果」を勉強に活かそう土曜・日曜は、一コマ九〇分の締切効果で勉強しろ。 仕事をこなしながら勉強しようとしても、平日にはまとまった勉強時間は取れない。
結局、頼みの綱は、会社休日ということになる。 業種によっては平日が会社休日になっている場合もあるだろうが、以下、「会社休日目土曜・日曜」ということで話をすすめていく。

社会人になってからの勉強はつくづく大変だと思う。 趣味やレジャー、家庭サービスなどに自由に使えるはずの土曜・日曜に、しっかり勉強をしなければならない。
よほどの意志の強さ、自己管理能力がないと、そういう生活は長くはつづけられるものではない。 脳科学的にいえば、これから述べていく「締切効果」がはたらいたためである。
さて、会社が休みの土曜・日曜にはたっぷり勉強しなければならない。 どのくらいの時間を勉強に回せばいいか?単純に考えれば、会社では一日八時間働いているから、自宅でも一日八時間くらいは無理なく勉強できるはずだ。
平日に取れる勉強時間の三日分くらいは、まとめて勉強に充てられるわけだが、となると、平日とはまた違った集中力の維持が求められてくる。 時間がたっぷりあると、得てしてダラダラとなりがちだ。
なにしろ、人間が一つのことに集中できるのはせいぜい二時間なのだから。 そこで、お薦めしたいのが一科目あたり九〇分に設定した、コマ割りをすること。
九〇分といえばなにか思い出しませんか?そう、大学の授業の一時限が一般的に九〇分。 高校の授業の倍相当。
このあたりが集中力のほほ限界なのだ。 次に、この九〇分間で「テキストの何ページまでやる」という目標を立てる。
そうすることにより、目標をクリアしようという意志がはたらくので、集中力が増して勉強がはかどる。 これが「締切効果」というものなのだ。
サッカーの試合も、大学の授業と同じく九〇分。 しかも、それを前・後半に分けているから、観ていてもダレない。
対して、試合時間が往々にして三時間以上と長くなる野球は、途中でどうしても飽きてしまう。 映画だって、二時間半ほどもある作品はどんなに出来がよくても、緊張感が途切れることがある。

お芝居にしても、そう。 二時間を超える舞台はだいたい小休憩をはさんだプログラムになっている。
一コマ九〇分学習法は、脳科学的に正しい。 だから、土・日の勉強は、時間割りを組むところからはじめたい。
九〇分で足りない科目があるのなら、休憩をはさんでさらにもう九〇分、同じ科目を勉強すればいい(休憩の取り方については後述)。 というのは、九〇分に勉強したことが均一に記憶されていくわけではなく、九〇分のうちの最初のほうに覚えたことと、最後のほうに覚えたことの記憶が長くつづくためだ。
前者を「初頭効果」、後者を「新近性効果」という。 実際、ある大学で学生に、九〇分の講義のうちどの部分をいちばん覚えていたかをアンケート調査したところ、最初と最後のほうだったという調査報告もある。
したがって、これらの時間帯にこそ、・試験の頻出事項・忘れやすい事項、苦手分野など、絶対にマスターしたいところを勉強するのが効果的だ。 勉強時間に、初頭効果と新近性効果があるということは、見方を変えると、「中だるみ」があるということだ。
人間は誰でも中だるみしやすいものだが、とくにそうした傾向が強い人は、九〇分をハーフタイム、つまり四五分ずつに分けるとよい。 そして、前半の四五分はテキストの何ページから何ページまで、後半の四五分はさらに何ページまでというように区切ってしまうのだ。
そうすれば、前半の終了間近に「新近性効果」、後半の開始直後は「初頭効果」がはたらくので、その分だけ中だるみが少なくなる。

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